6月7日、8日、中国で日本の大学入試センター試験に相当する「高考」が実施されました。「高考」を題材に、中国の高等教育についてお伝えします。
中国の大学受験「高考」とは
高考(正式名称「普通高等学校※1招生全国統一考試」)は、中国の大学等の高等教育機関の入学試験です。日本でいう「大学入試センター試験」に相当しますが、違いも多くあります。日本では、センター試験の他に二次試験等を実施しますが、中国では、高考1回の試験の成績によって合否が決定されます。また、中国各省・自治区に大学の合格者数が配分されることから、同じ大学であっても必要となる合格最低点が受験地によって異なります。試験科目は、国語、数学、外国語の3科目の他、理系受験者は理科総合(物理、化学、生物)、文系受験者は文化総合(政治、歴史、地理)を受験(計4科目)するのが一般的ですが、これについても受験する省・自治区によって若干異なることがあります。

中国人にとって、人生を切り開く一大勝負

2018年の高考の受験申込者数は約975万人。日本の同年の大学入試センター試験の受験者数が55万人ですので、実に日本の約18倍の規模です。高考は、受験地(省・自治区)によって同じ大学でも合格点数が異なる等、完全に全国平等な試験とはいえませんが、コネ等人的繋がりが重視されがちな中国社会においては、「試験の点数によってのみ合否が決まり、自分の人生を変えることができる唯一の機会」との声が、特に地方出身者から根強く聞かれます。そのため、街を挙げて試験会場に向かう受験生を見送ったり、受験生が遅刻しないように各交通機関が協力したりと、日本では考えられない盛り上がりを見せています。

経済発展により大衆化・多様化が進む高等教育

中国の高等教育機関への進学率は、改革開放が始まった1978年当時はわずか1.55%でした。しかし1990年代以降の市場経済化と中国政府の定員拡大政策により、2002年に15%、2012年に30%を超え、2017年は42.7%に達しています。中国教育部は、2020年までに高等教育機関への進学率を50%にすることを目標としています。また、高等教育の多様化の一面として海外留学生数※2の増加も著しく、「中国留学発展報告(2017)」によると、2016年に中国から外国へ留学した数は約54万人に上り、日本のセンター試験受験者数に相当します。日本などアジアへの留学よりも、欧米、オーストラリアが多いことも特筆しなければなりません。高等教育の大衆化・多様化は、日本も経験してきましたが、中国はその規模が大きく異なります。高等教育の大衆化・多様化が中国社会に何をもたらすのか、今後も注視していきたいと思います。